バイクで脳の活性化!?

バイクに乗ると若返る

これまではバイク=若者乗り物、と言う数式が世間一般的にありましたが、ここ最近は40代から50代のリターンライダーが増加して来ています。
リターンライダーの皆さんはバイクジャケットを着こなし、颯爽とバイクを運転している姿は、他の中年・熟年男性からも羨望の眼差しで見られていますね。

もちろん、この年代の全てのライダーがリターンライダーと言う訳では無く、10~20代から運転し続けているベテランライダーも多くいて、そのほとんどの人が「実年齢よりも若く見える」と言われているそうです。
中には5歳以上も若く見えると言われているライダーもおり、「バイクを乗ると老化が遅いのでは?」とも考えられています。

同じように運転をしていても、4輪ではそのような傾向は見られず、「なぜ2輪と4輪とでは違いが出るのか?」、「なぜ2輪ライダーは老けないのか?」と疑問を感じていた方も多いと思います。
その疑問を感じたバイクメーカー自らが、大学の研究室とタッグを組み、科学的に研究し、その研究結果を発表しました。

実験開始

バイクメーカーであるヤマハがタッグを組んだ相手は、「脳トレ」で有名な東北大学の川島隆太教授です。
東北大学の加齢医学研究所に努めている川島教授は、脳機能のアンチエイジング研究のオーソリティー、またバイク好きな医学博士として有名です。

中高年ライダーの多くは、「バイクに乗ると、気持ちも見た目も若返った気分になれる」と言います。
この言葉に「気分では無く、本当に若がっているのでは?」と疑問を感じ、実験を開始しました。
川島教授の専門は脳科学ですから、この分野からのアプローチです。

実験は若い時から乗り続けているベテランライダーと、ブランクのあるリターンライダーの二組に分かれて行われました。
その結果は明確に分かれてしまい、ベテランライダーの方が脳の働きが活発に行われ、論理的に情報を処理し、集中して運転している事が判明しました。

脳年齢=見た目年齢

実験前には「ベテランライダーの方が直感で運転しているのでは?」と思われていましたが、むしろブランクのあるリターンライダーの方が、直感で運転している事が分かりました。
リターンライダーはブランクのある分、処理能力が追いつかない脳の勘違い状態に陥り、ESPと呼ばれる超感覚的知覚、言わば直感で運転することが多かったそうです。

この事から中高年層の事故件数の内、リターンライダーの事故率が高い謎が解明されました。
リターンライダーの多くはツーリングの用途にしかバイクを運転しない為、普段からバイクを運転しているライダーに比べて脳が活性化されていませんから、事故率が高いと言えます。

普段からバイクを運転している人ほど集中力が高まるので、脳が活性化され、状況を予測しながら運転している様です。
見た目年齢と脳年齢は密接に関係していると考えられており、脳を活性化する事が老化を遅らせていると言えるでしょう。

中高年ベテランライダーの多くが比較的若々しく見えるのは、こういった科学的根拠に基づく所から来ている事が、この実験から判明しました。
この結果を受けて、実験を担当した川島隆太教授もバイクを購入したそうです。