若者のバイク離れ
ある調査によると、バイクに乗る人が少なくなっているといった、いわゆる「バイク離れ」が年々増加傾向にあることが分かりました。
特にバイクに乗らない人は、「バイクは若者の乗り物」と考えがちですが、実際は50代以上が圧倒的にバイクに乗っています。
バイクの新車を購入した方を対象にした調査によると、2013年のデータで、国内の新車バイク購入者の平均年齢は51歳となっており、若い頃にバイクブームを過ごした世代がそのまま購入者の中心となっています。
若者と呼ばれる世代の29歳以下の購入率は原付を合わせても全体の9%となっています。
また性別で見てみると女性のバイクユーザーは減ってはいませんが、男性、そして若者のバイク離れは深刻となっています。
問題は、20~30代の男性という、バイク業界において本来であればメインとなるべきであろうターゲットの購入の落ち込みです。
しかも、購入してもバイクを手放す確率が高いというデータもあります。
バイク業界全体にとって、大きな痛手となったのは、「駐車禁止違反の強化&民間委託」です。
バイク用の駐輪場が十分に確保されない状況での厳しい検挙となったため、バイクユーザーにとって厳しい改正となりました。
バイク離れの経緯
バイクの需要台数は1990年代後半に100万台を割って以降、少しずつ減少傾向にありました。
その後、リーマンショックによる景気悪化のためバイク需要は激減し、とうとう2009年度では50万台を下回ります。
バイクに乗らなくなる理由も様々です。
バイクの用途として走りを楽しむ目的ではなく、通勤や通学、ビジネスの場面で移動手段として使っていた人は、電動自転車やロードバイクに乗り換えています。
特に原付2種では、駐車場所不足に不便さを感じた人が多くいたようです。
また、中型から大型バイクへと排気量に比例して、ユーザーの年齢層も上がります。
移動手段としてだけでなく趣向性の高いバイクを維持するためには、ある程度、経済的にも時間的にも余裕が必要となるため、年齢の高い方の需要が高まっているようです。
この先高齢化社会を迎える日本では、30代までの若者の人口が減少傾向となり年々若者の人口が減少すると予想されています。
まだしばらくは経済的に余裕のある熟年層が需要を支えていく可能性はありますが、数十年先には、彼らもバイクを降りるときが必ずやって来ます。
このままでは、後を継ぐ若いライダーも増えずにバイクユーザーはどんどん減少してしまうことが予想されます。
人口の減少は、バイク業界だけではなく多くの業界に同様の危機感を与えています。
バイク業界の将来を明るくするためには、若者が興味を持つようなバイクを世の中に発信していくことが大切です。
今後の日本のバイクメーカーの動きに、大いに期待しましょう。