タンクのデント補修には押し出し棒が便利
バイクのガソリンタンクは、転倒や衝撃などによって凹みやすい金属素材で作られています。
凹んでしまった場合、バイクショップに持っていくと交換を進められることが多いのですが、これはデント補修するよりも交換したほうが手間や時間を考えた際のコスパが良いからです。
しかしタンクのデント補修は、押し出し棒という専用のツールがあれば、意外と簡単にDIY補修ができる作業なのです。
一般的なタンクのデント補修では、凹んだ部分をパテで埋めます。
確かに凹みの程度によっては、この方法がベストとなることはあります。
しかし、タンクの内部から凹んでいる部分を押し出せることもあるため、パテも塗装もせずに凹みを押し出すだけで補修できる可能性もあるのです。
このタンクの内側から凹みを押し出す際に使うのが、押し出し棒です。
もしもDIYで補修できれば、凹むたびにタンクの交換をする必要がなくなるでしょう。
それにバイク車種によっては新品タンクを入手しづらいこともあるため、知っておくと役立つスキルと言っても過言ではありません。
タンク補修の作業手順とは?
押し出し棒を使うだけでデント補修ができるのは、凹んだ部分の塗装がはがれていない場合です。
さらにバイクのガソリンタンクは入り口が細くなっているために、外から押し出し棒を入れづらいという特徴がある他、プレスされている箇所が多かったり、剛性が高いといった性質があります。
そのため、押し出し棒を使ったデント補修は、難易度という点では少し難しいかもしれません。
タンクのデント補修の手順としては、まず最初に押し出し棒が適用できるかどうかを確認しましょう。
凹んでいる部分に折れ筋がついていたり、凹んだのがプレス部分だったりした場合には、残念ながら押し出し棒だけでのデント補修はできません。
難易度が高い押し出し棒で凹みを軽減できても、その後でパテを使ったり塗装をするといった作業が必要となり、難易度はさらに高まります。
そのため、自信がない人はバイクショップへ持ち込むのが得策です。
上記の目視点検によって押し出し棒適用だと判断できたら、いよいよ作業に取り掛かりましょう。
バイクショップなどでは専用のツールがありますが、持っていない人はキャンプ用のテントを張る際に使うペグで代用できます。
ペグの長さは、給油タンクの入り口から凹んでいる部分までの長さが最低でも必要となるため、余裕のある長さのペグを準備しましょう。
給油口からペグを入れ、タンクの凹んだ部分を内側から抑えながら、外側からハンマーなどで軽くたたいてください。
内側を抑えていれば、凹みが少しずつ上がってきて目立たなくなります。
凹みの度合いが軽度なら、ハンマーでたたかずに内側からペグでタンクを押すだけで凹みを補修することも可能です。